美佐ねえねえ、店長!
患者さんで『目薬(点眼液)をさすのが苦手で…』って悩んでたよ。
それに、『眼軟膏を目の中に入れるなんて怖くてできない!』とか、『耳に垂らす点耳薬もやり方が不安』って話もよく聞きますよね。



そうだね。毎日使う点眼液でもコツがいるし、眼軟膏や点耳、点鼻は使う機会が少ない分、迷う患者さんは本当に多いんだ。
でも、正しく使わないとせっかくのお薬の効果が半減しちゃうこともあるんだよ・・・



確かに!基本だけど、実は一番聞きたいポイントかもしれない。
間違った使い方をして、子供に嫌な思いをさせちゃうのも可哀想だし…



だから今回は基本的な点眼液のさし方はもちろん、目の中に使う軟膏、点耳・点鼻の方法をこの際、一緒にしっかり復習しよう!現場でよく聞かれる疑問にもズバッと答えていくね。
☑点眼液の使い方とコツの3ステップ
☑眼軟膏(眼の中への軟膏)の使い方とコツの3ステップ
☑点耳液の使い方とコツの3ステップ(大人と子供で違う「耳を引っ張る方向」と「耳浴」のコツ)
☑点鼻液(スプレーと液体状)の使い方とコツ
☑保管方法と期限について
外用薬(液体)の正しい使い方の基本と理由
点眼薬の手順
目は非常にデリケートな粘膜です。
手についた見えない細菌やウイルスが目に入ると、新たな感染症(結膜炎など)を引き起こすリスクがあるから、まずは「清潔」が第一!
点眼薬のボトルの中は、実はとっても清潔な『無菌状態』で作られています。せっかくの綺麗なお薬をバイ菌で汚してしまわないように、まずは石鹸で手を洗って準備してくださいね。
容器の先がまつ毛やまぶたに触れると、目元の雑菌がボトル内に逆流して薬が汚れてしまいます。
また、あふれた分は効果に関係ないので、「1滴を浮かせて落とす」のが一番安全で清潔なんです。
《あふれた薬の拭き取りの重要性》
目からあふれれた薬液がまぶたに付いたままになると、成分によっては「接触皮膚炎(かぶれ)」を起こして、目の周りが赤く腫れてしまうことがあります。
清潔なガーゼやティッシュで、優しくポンポンと吸い取るように拭き取ってあげてください。
目と鼻は「鼻涙管(びるいかん)」という管でつながっています。
押さえないと薬が鼻、そして鼻から喉に流れてしまい、目が吸収する前にいなくなっちゃいます。
「苦い!」と感じるのを防ぐためにも、ここは一番大事なポイントだよ。
下の記事にイラスト付きで押さえる場所や苦味軽減の方法等、詳しく解説しております。
これで基本の点眼液はバッチリ!
次は、意外と知らない『眼の塗り薬(眼軟膏)』や『耳・鼻』のお薬について見ていこう!
眼の中への塗り薬(眼軟膏)の手順
眼軟膏は目の周りや、患部のみに使用する場合がります。
眼軟膏の塗り方を医師から指示がある場合は、そちらを優先して下さい。
点眼液と同じく清潔が第一!鏡を見て自分のまぶたの位置をしっかり確認しましょう。


チューブの先がまつ毛やまぶたに触れないよう注意して、下まぶたの内側(赤い部分)に1cmほど細長く押し出し、軟膏をのせて下さい。
患部が上のまぶたの場合でも、同じ使い方で薬で薬がいきわたるので問題ありません
直接チューブから出すのが難しい場合は、清潔な綿棒(個包装のものが望ましい)の先に多めに軟膏をとり、下まぶたの内側にそっと置きます。
皮膚の軟膏みたいに、すり込まない!
目を閉じることで、体温で軟膏が溶けて目全体に広がります。
まぶたの上から優しくなでるようにすると、より馴染みやすくなります。
眼軟膏を入れた直後は、お薬が広がって視界がぼやけますが、一時的なものです
眼軟膏と見た目が似ているし「眼」って付いているから、目の中に入れるものだと思われがちだけど、明確な違いがあり、眼瞼クリームを「目の中」に直接入れるのは絶対にNGです!
眼軟膏: 「眼(中)」にも「瞼(外)」にも使えるように、無菌かつ刺激が少なく作られている。
アレジオン眼瞼クリーム: あくまで「瞼(まぶた)」に塗るための皮膚用薬。
目の中に入れる設計(無菌性やpHの調整など)にはなっていません!
点耳薬(耳の薬)の手順とコツ
冷たいまま耳に入れると、内耳が刺激されて激しいめまいが起きることがあります。
使う前に数分間、手の中で握って温めておきましょう。
薬を奥まで届きやすくするために、耳を引っ張り外耳道をまっすぐにします。


- 掴む場所:耳の上部(耳輪・軟骨部)
- 引っ張る方向:後ろ斜め上(10時〜11時方向)
-
大人の耳の穴(外耳道)は、緩やかな「S字」を描いています。だから、耳たぶじゃなくて「耳の上の硬い部分(耳輪:軟骨)」を「後上方」にグイッと引き上げないと、このカーブがまっすぐにならない。
耳鼻科の先生が診察のときに耳を引っ張るのも、実はこの『道を一直線にして奥まで見通す』ため。お薬を垂らすときも、先生が診察するときと同じように道を作ってあげると、お薬が奥まで流れていきやすくなりますよ!
- 掴む場所:耳介(耳の外側のすべての部分)
- 引っ張る方向:真後ろか、後ろ斜め下(後下方)
-
赤ちゃんの耳の穴(外耳道)は、まだ柔らかくて、構造上「下向き」に垂れ下がっています。
だから、大人のように上に引っ張る必要はなし。無理に上に引っ張ると、逆にカーブが強くなって、お薬が届きにくくなることもあるんだ。耳の外側を広く持ち後ろに優しく軽く引いて下さい。
すると、柔らかい耳の穴がパカッと広がって、十分奥まで届くようになりますよ!
通常、成人は「5〜10滴」ほど垂らしますが、お子さんの場合は耳の穴が小さいため「2〜3滴」と少なく指示されることがあります。
点耳後すぐに起き上がると、薬液が外耳道から流れ出てしまい、十分な効果が得られません。
必ずお医者さんや薬剤師さんに指定された滴数を守って下さい。
薬を垂らした後、そのままの姿勢で10分程度じっとしておきます(これがお薬を浸透させる「耳浴」です)。



お子様の耳にお薬を入れるとき、溢れそうになったらそれ以上無理に入れなくて大丈夫。大切なのは、指定された量をしっかり耳の中に留めておくこと!溢れた分は清潔なティッシュで優しく拭き取ってあげてね!
ステロイドの点耳薬は、外耳道の湿疹や腫れを抑えるために使われます。中耳炎の時のように「10分間じっとして耳の奥まで浸透させる(耳浴)」という指示が出ないこともありますが、基本の「耳たぶを引っ張って、お薬を奥まで導く」という手順は同じで大丈夫だよ!
点鼻薬(鼻のスプレータイプ)の正しい使い方の手順とコツ
点鼻薬には、シュッと勢いよく出る「スプレータイプ」や、ポタポタ落とす「液状タイプ」など、容器(お薬の形)にはいろいろな種類があります。
ここでは、どのお薬にも共通している「お薬を鼻の奥の粘膜にしっかり届けるための基本」を解説します。
※お薬ごとの詳しい使い方のコツは、薬局で薬剤師さんに直接聞いてみるとより安心ですよ!
鼻水が詰まっていると、お薬が粘膜まで届かずに押し戻されるんです。
まずは優しく鼻をかんで、お薬の通り道を確保しておきましょう。
実は、上を向くのは逆効果。
少しうつむき加減(おへそを見るくらい)で使うのが、お薬を喉に流さず(薬の苦味対策にもなります)
鼻の奥に留める(薬の効果もアップ)事が一番のコツなんです!
容器の先は「鼻の真ん中の仕切り(鼻中隔)」ではなく、少し「目尻の方(外側)」に向けてシュッとするといいですね。
鼻の粘膜にしっかりお薬を当ててあげましょう。
噴霧した直後に強く鼻をすすると、お薬がそのまま喉に流れて苦味を感じてしまう。
軽くクンクンと鼻の奥へお薬を誘導するイメージで。
点鼻薬(液状タイプ)の正しい使い方の手順とコツ
鼻水が詰まっていると、お薬が粘膜まで届かずに押し戻されるんです。
まずは優しく鼻をかんで、お薬の通り道を確保しておこうね。


仰向けに寝て、肩の下に枕やクッションを入れるか、ベッドの端から頭を少し出すようにして、「鼻の穴が真上を向く」ポーズをとります。
この時、容器の先が鼻の粘膜に直接触れないように注意して下さい。
お薬を落としたらすぐに起き上がらず、そのままの姿勢でキープ。
お薬が鼻の奥(副鼻腔など)へゆっくり浸透していくのを待とう。
そのお薬、いつまで使える?正しい「期限」と「保管方法」
お薬をもらったときは「今」のことばかり考えがちだけど…
実は治った後の「余ったお薬」の扱いが一番の悩みどころ。
結論から言うと、このルールだけ覚えておいて下さい!
「開封後」の使用期限は1ヶ月が目安!
お薬の袋や容器に書いてある期限は、あくまで「未開封」の場合の期限です。
一度フタを開けて空気に触れると、お薬の成分が変化したり、雑菌が入ったりしやすくなります。
- 目安
-
開封してから「1ヶ月」を過ぎたら処分!
『去年の余ったお薬、また症状が出たから使ってもいい?』って聞かれるけど…
これは絶対にNG!菌が繁殖した古いお薬を使うと、逆に症状が悪化しちゃうこともあるんだ。
もったいないけど、1ヶ月を過ぎたお薬は『お疲れ様』と感謝して処分しましょう。 - アドバイス
-
お薬を使い始めたら、容器のラベルに「マジックで開封日」を書いておくと、迷わなくて済むよ!
保管は「冷暗所」が基本
基本的には「直射日光が当たらない、涼しくて湿気のない場所(1°C〜30°C)」でOKです。
- 冷蔵庫に入れるべき?
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「冷所保存」と指示があるもの(一部の点眼薬など)以外は、常温(15°C〜25°C)で大丈夫。
でも、夏場の暑い部屋、車の中などは避けてね。
30°Cを超えてお薬がダメになっちゃうこともありますよね。
そんな時は、無理に常温にこだわらず、冷蔵庫の『ドアポケット』など冷えすぎない場所に入れておくのが一番安全ですよ!
まとめ|正しい使い方で、お薬の効果を最大限に引き出そう!
今回は、意外と自己流になりがちな「外用薬(目・耳・鼻)」の正しい使い方とコツを復習しました。
最後に大切なポイントを振り返っておきましょう。
- 目は「清潔第一」:容器の先を付けず、目頭を押さえて喉への流出を防ぐ。
- 耳は「道をまっすぐ」:大人(後ろ斜め上)と子供(後ろ斜め下)で引く方向を使い分ける。
- 鼻は「下を向く」:上を向かず、少しうつむいて外側の粘膜を狙う。
- 期限は「開封後1ヶ月」:迷ったら処分!マジックで日付を書いておくのがヤクパパ流。
最後に・・・
「お薬を嫌がるから…」「やり方が不安だから…」と、つい適当に使ってしまうと、せっかくのお薬の効果が半分以下になってしまうこともあります。
でも、今回ご紹介したちょっとしたコツを実践するだけで、お薬はもっと確実に、そして安全に効いてくれるようになりますよ。
もし、使っている中で「このお薬はどうなの?」と迷うことがあれば、いつでもかかりつけの薬剤師さんや私に相談してくださいね。



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