このシリーズでは、
子どもの夏におきやすい
4つの感染症を整理しています。
- とびひ
- 手足口病
- ヘルパンギーナ 👈今ここ
- プール熱
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お急ぎの方は、
目次から「まとめ」を
先に読んでも大丈夫です。
ただし
- ぐったりしている
- 発熱がある
- いつもと様子が違う
など、
全身の様子が気になるときは、
記事を読み進める前に、
【親子のための観察室】で
見るポイントを整理しています。
ママ昨日の夜、急に
40度近い熱が出て…
のども痛いみたいで、
ご飯も水分も
あまり口にしてくれないんです。



それは驚きましたよね。
急に高い熱が出ると、
それだけで不安になります。



本人はぐったり
しているわけじゃないんですけど、
仕事帰りで、
病院は閉まっていて…
このまま今夜見ていて
大丈夫なのか、分からなくて。



とりあえず、
熱の数字だけじゃなくて、
飲めているか・様子がどうか・
時間がどれくらいたっているかを
一緒に見ながら、
今夜からどう過ごすかを
整理していきましょうか。
- 急な高熱とのどの痛みが、
どんなふうに出やすいか - 食べない・飲まないとき、
どこを見ればいいか - 熱が続いているとき、
どこで見直せばいいか - 熱が下がったあと、
いつ普段の生活に戻れるか - うつり方や、また同じ症状が
出たときの考え方
結論:熱の数字だけでなく、
「飲めているか」と「続き方」を見る
ヘルパンギーナは、
突然の高熱とのどの痛みで
始まることが多く、
多くは数日の経過で
自然に治っていく感染症です。
ただ、今夜のあなたに必要なのは
「病名の説明」よりも、
「何を見て、次をどう考えるか」
だと思います。
見るポイントは、
大きく3つです。
- 熱の数字だけで、重さを決めない
- 「食べない」ことと
「飲めない」ことを分けて見る - 「何日目か」だけでなく、
続き方や様子の変化も合わせて見る
この3つを軸に、
今夜から回復・登園までを、
順番に整理していきますね。
急な高熱とのどの痛み。
まずどんなふうに出る?
急に高い熱が出て、のどを痛がることがある
ヘルパンギーナは、
ウイルスが原因で起こる、
子どもによく見られる夏風邪の一種です。
せきやくしゃみの飛沫などで感染し、
保育園や幼稚園などで広がることがあります。
5歳以下の乳幼児に多く、
毎年5月ごろから増え始め、
7月ごろにピークを迎えます。
典型的には、突然の高熱とともに、
のどの痛みが現れます。
熱は1〜数日、
資料によっては2〜4日程度
続くことがあるとされていて、
これ自体は経過として
めずらしいことではありません。
食欲がなくなったり、
だるそうにしたり、
頭を痛がったりすることもあります。
口の奥に、小さな水ぶくれやただれが見える
ことがある
のどの奥や、
上あごの粘膜のあたりに、
小さな水ぶくれ(水疱)が
できることがあります。
水疱はやがて破れて、
浅いただれ(潰瘍)になり、
これが痛みの原因になります。
「喉が痛い」というより、
「口の奥がヒリヒリする」
「触れるものが染みる」ような
感覚に近いかもしれません。
この痛みが、次の章で扱う
「食べない・飲まない」の
背景になっています。
高い熱でも、数字だけで重さは決まらない
40度近い数字を見ると、
それだけで頭が真っ白になりますよね。
ただ、ヘルパンギーナに限らず、
体温の数字ひとつだけで
重症度が決まるわけではありません。
実際、高熱が出ていても、
テレビを見て笑っていたり、
比較的いつも通りに
過ごせていたりすることもあります。
大事なのは、
熱の数字だけを見るのではなく、
- 水分がとれているか
- いつもと比べて様子に変化がないか
をあわせて見ていくことです。
この見方は、
この記事全体を通して使っていきます。
手足口病やプール熱と迷うこともある
「これって本当にヘルパンギーナなのかな」と
迷うことも多いと思います。
手足口病は手足の発疹が目立ちやすく
咽頭結膜熱(プール熱)は目の充血が目立ちやすい
といった違いはあります。
ただ、家庭でこれらを
正確に見分けることを、
この記事の目的にはしません。
迷うこと自体は自然なことです。
似ているように見えても
違う場合があるという前提で、
次の章から、
今夜どう過ごすかを一緒に見ていきましょう。
食べない・飲まないとき、
どこを見る?
「食べない」と「飲めない」は、分けて見る
のどが痛くて食欲が落ちているとき、
「ちゃんと栄養をとらせなきゃ」と
思うほど、焦りが大きくなりやすいと思います。
ただ、ここでいったん分けて考えたいのは、
「食べない」ことと
「飲めない」ことは、
別の問題として見たほうがいい
ということです。
食事量が落ちていても、
まずは水分がとれているかを
優先して見る場面があります。
食欲がある・ないよりも、
水分がとれているかどうかのほうが、
今夜の判断材料としては
重要になりやすいからです。
のどが痛くて飲みにくいときの、
少しずつの渡し方
のどの奥が痛いと、
一度にたくさん飲むこと自体が
つらく感じられます。
無理に量を飲ませようとするより、
少しずつ、飲めるタイミングで渡すことを
意識してみてください。
冷たいものやのどごしのよいものは、
比較的口にしやすいことがあります。
何を選ぶかよりも、
「今、この子が痛がらずに口にできるものは何か」
を、見てあげる感覚のほうが近いかもしれません。
飲めているかは、尿や口の乾きにも表れる
「今、ちゃんと飲めているのか」は、
量そのものより、
体の様子から見えてくることがあります。
- おしっこの回数がいつもよりかなり少ない
- 口の中や唇が乾いている感じがする
- 泣いても涙があまり出ない
- ぐったりして、元気がない
こうした様子が重なってきたときは、
水分が足りていないサインかもしれません。
なお、全身の様子に
いつもと違う変化があるときは、
ヘルパンギーナかどうかにかかわらず、
【親子のための観察室】で
見るポイントを整理しています。
痛みがつらそうなら、
和らげてから飲みやすくする考え方もある
解熱鎮痛薬は、
「熱を平熱まで下げるための薬」というより、
発熱やのどの痛みのつらさを
和らげるための対症療法として使われるものです。
痛みが少し和らぐことで、
水分や食事をとりやすくなる、
という使い方もあります。
ですので、
「薬を使ったのに
熱が完全に下がらない」からといって、
「効いていない」とは限りません。
使い方や量については、
自己判断で継続せず、
医師や薬剤師に相談しながら
進めてくださいね。
熱が続いているとき、
どこで見直す?
熱が続くこと自体は、
経過の範囲のこともある
2日目、3日目になっても
熱が続いていると、
「本当にこのままでいいのかな」と
不安になると思います。
ヘルパンギーナの発熱は、
資料によって幅はあるものの、
数日続くこと自体は、
経過の範囲内であることも少なくありません。
「熱が続いている=悪化している」とは、
必ずしも言えないということです。
日数だけで決めず、
続き方や変化もあわせて見る
とはいえ、
「何日目だから大丈夫」と、
日数だけで単純に
判断できるものでもありません。
日数は、経過を見るうえでの
ひとつの目安にはなりますが、
それだけで
判断を決めてしまわないことが大切です。
見直すときの視点は、
「今、何日目か」よりも、
「昨日と比べてどう変化しているか」に近いです。
同じような状態が続いているのか、
それとも何かが変わってきているのか
——そこに目を向けてみてください。
熱の続き方に、別の変化が重なってきたら
熱が続くなかで、それまでとは違う変化
たとえば、
- 頭を痛がる様子が強くなったり
- 吐いてしまったり
- 水分がまったくとれなくなったり
が重なってきたときは、
経過を見直すタイミングかもしれません。
ひとつでも症状が強いときや、
それまでなかった変化が
重なってきたときは、
一度、相談を考えるタイミングです。
「本当にこれで合ってる?」
と思ったときの考え方
熱が続くなかで、
「本当にヘルパンギーナで合っているのかな」
「別の病気なんじゃないか」と、
疑いたくなることもあると思います。
これは、家庭で正確に
確かめられることではありません。
新しい症状が加わったり、
経過が想定と違うと感じたりしたときは、
無理に自分で結論を出そうとせず、
診察を受けた医療機関に相談し直す
という選択肢を持っておくと安心です。
熱が下がったあと、
いつ普段に戻る?
熱が下がっても、すぐ元通りとは限らない
熱が下がると、
「もう大丈夫」とほっとすると思います。
ただ、熱が下がった直後から、
すぐにいつも通りの
食欲や元気が戻るとは限りません。
口の中の痛みが残っていたり、
なんとなく元気が
出なかったりすることもあります。
これも、経過として
めずらしいことではありません。
食欲や元気は、少しずつ戻っていく
回復のペースは、
子どもによって差があります。
「普段の食事がどれくらいとれているか」
「遊んだり動いたりする元気が
どれくらい戻ってきているか」
——
この2つを目安に、
少しずつ様子を見ていくと
よいと思います。
一気に「治った」と切り替えるより、
戻り方を見ながら、
段階的に普段の生活へ近づけていく
イメージのほうが、
実際の経過に近いかもしれません。
登園は、「何が戻っているか」で考える
登園のタイミングについて、
ヘルパンギーナには全国一律の
決まった出席停止期間はありません。
国のガイドラインでは、
発熱や口の中の症状の影響がなく、
普段の食事がとれることが、
登園再開のひとつの目安として示されています。
ただし、実際の運用は
園や自治体によって差があります。
登園届の要否なども園ごとに異なるため、
迷ったときは、
通っている園に直接確認するのが確実です。
うつる? 兄弟は? またかかる?
どんなふうに広がりやすい?
ヘルパンギーナは、
せき・くしゃみによる飛沫や、
便を介した経路などでうつることがあります。
急性期は特に感染力が強く、
回復したあとも、
しばらくは便からウイルスが
検出されることがあるとされています。
家庭で完璧に感染を防ぎきることは、
現実的には難しい面もあります。
手洗いや、タオルの共有を避けるといった、
無理のない対策をとることが基本になります。
兄弟にうつるのが心配なとき
上の子や下の子に、うつらないか
心配になりますよね。
感染対策として大切なのは、
手洗いのタイミングを意識すること。
特に、トイレのあとや
おむつ替えのあとの手洗いは、
気をつけておきたいポイントです。
完全に隔離しようとして、
かえって家庭内の生活が
回らなくなってしまうこともあります。
できる範囲でよい、
というくらいの気持ちで大丈夫です。
一度かかっても、またかかることがある
「この前かかったばかりなのに、
また同じような症状が出た」
ということもあります。
ヘルパンギーナの原因となる
ウイルスにはいくつかの型があるため、
一度かかったあとでも、
別の型のウイルスによって、
またかかることがあります。
これは、前回の症状が
治りきっていなかった「再発」とは違い、
新しい感染として起こるものです。
📋 まとめ
- 熱の数字だけでなく、
水分・様子・時間経過をあわせて見る - 「食べない」ことと
「飲めない」ことは、分けて考える - 熱が続くときは、日数だけでなく、
続き方や変化を見る - 熱が下がったあとも、
食欲や元気は少しずつ戻っていく - 登園は、発熱や口の症状の影響がなく、
普段の食事がとれることが目安 - 一度かかっても、
別の型のウイルスでまたかかることがある
最後に・・・
急に高い熱が出た夜は、
それだけで気持ちが
いっぱいいっぱいになりますよね。
うまく飲んでくれなくて、
何度もあきらめかけたり、
「自分の看病の仕方が悪いのかな」と
感じてしまったりすることも
あると思います。
でも、のどが痛くて飲みにくいのは、
この病気そのものの症状であって、
あなたの看病のせいではありません。
今夜は、熱の数字だけを
追いかけるのではなく、
少しずつでも飲めているか、
いつもと様子が違わないかを、
ゆっくり見てあげてください。
それで十分です。
📚 参考・引用
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- 厚生労働省. ヘルパンギーナに関する Q&A.
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/herpangina.html - 感染症情報提供サイト(JIHS). ヘルパンギーナとは.
https://id-info.jihs.go.jp/diseases/ha/herpangina/010/index.html - 国立成育医療研究センター. ヘルパンギーナ.
https://www.ncchd.go.jp/hospital/sickness/children/herpangina.html - 厚生労働省. 保育所における感染症対策ガイドライン(2018年改訂版).
https://www.mhlw.go.jp/content/001005138.pdf
📝 この記事について
この記事は、
薬剤師としての知見と、
子育て中のパパとしての実体験を
もとに整理しています。
診断や治療の代わりに
なるものではありません。
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かかりつけの医療機関・薬剤師へ
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