子どもが虫に刺される機会を減らしたい。
そう思ったとき、多くの親が
まず「虫よけ剤」を探し始めます。
でも実際には、
薬剤を使う前にできることが色々あります。
この記事では、
- まず家の中でできること
- 外に出る日にできること
- それでも剤を使いたいときの考え方
の順番で整理します。
全部やらなくて大丈夫です。
「まず、これだけ」
から始められる記事を目指しました。
患者さん夏になると虫よけ剤って
何を選べばいいのか、
毎年迷ってしまいます。



まず選ぶ前に、
整理してみましょうか。
虫よけ剤が活躍するのは、
実はもう少し後の話なんです。
屋内での環境で減らす
夏になると、気づかないうちに
家の中へ蚊が入ってくることがありますよね。
まず確認しておきたい事は、
虫よけ剤ではなく、 蚊が入りやすい場所です。
家の中でできること
まず見直しやすいのは、蚊が入ってくる場所です。
網戸に穴や破れがないか、
定期的に確認してみてください。
玄関や窓の開け閉めの時に蚊が入りやすいので、
出入りの時間を少し意識するだけでも
変わることがあります。
水たまりにも注意が必要です。
ベランダの鉢受け皿、バケツ、使っていない容器
—— 雨の後に水がたまる場所を確認して、こまめに水を捨てるだけで 蚊の繁殖を抑えやすくなります。
気がついた場所があれば
ひとつ、見直してみるくらいで十分です。
寝るときにできること
赤ちゃんの寝る場所には、
蚊帳が有効な選択肢です。
薬剤を使わずに、
物理的に距離をとる方法として、
昔から使われてきた実用品です。
置き型の蚊取り線香や電気蚊取り器は、
使う場所・換気・お子さんの月齢に応じて
選ぶことになります。
製品によって使用上の注意や
対象年齢の目安が異なるため、
使い始める前に製品の表示を確認してください。
ここだけで、刺される機会はだいぶ減ります。
外での対策は、次のステップです。
外に出る日はどうする?
毎日の公園
保育園の送り迎え
ちょっとした外出。
外では家の中ほど環境を整えられませんが、
服装と場所・時間の選び方で、かなり変わります。
虫よけ剤が必要かどうかは、
その後で考えても遅くありません。
服で肌を守る
蚊は肌の露出した場所を刺します。
長袖・長ズボンは、蒸れにくい薄手の素材のもの
を選べば 夏でも着せやすくなります。
手首・足首を靴下や袖でカバーするのも、
場面によっては有効です。
色については、
一部の蚊では黒・赤・オレンジに反応しやすく、緑・青・紫には反応が鈍いことがわかっています。
ただし、
「色を選べば刺されない」という話ではなく、
“人がいる場面で、どの色が見つけられやすいか”
という違いです。
気になるなら淡い色を選ぶ、くらいの参考として。
虫が多い場所・時間を知る
蚊が活発になりやすいのは、
一般的に 夕方から夜にかけてと、
草むら・水辺・木が多い場所の周辺です。
同じ公園でも、時間帯や場所によって
刺される頻度が違うことがあります。
「あの角の草むらに近いと多い気がする」
—— そういう小さな気づきが、虫よけ剤を考えるより先に役立つことがあります。
ベビーカーや外遊びの工夫
ベビーカーには、
専用の虫よけネットを使うことで、
薬剤を肌につけずに
低月齢の赤ちゃんを虫から遠ざけられます。
外遊びの後は、
衣服についた蚊を持ち込まないよう、
玄関前で一度はらってから入る習慣も助けになります。
全部を一度に整える必要はありません。
網戸を確認する日があってもいいし、
公園へ行く前に服装を考える日があってもいい。
「あの草むらに近いと多い気がする」
—— そういう小さな気づきが、虫よけ剤を探すより先に役立つことがあります。
虫よけは、できるところから少しずつ。
虫よけ剤を使うなら
※この章では、実際の商品例を紹介しています。
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虫よけ剤も、
子どもを虫から遠ざける方法のひとつです。
ここからは、
薬剤を使うときに考えたいことを整理します。
まず基準になるのは
イカリジン(虫よけ成分)
虫よけ剤の有効成分でよく見かけるのは、
イカリジンとディート(DEET)の2つです。
子ども向けの虫よけ剤では、
イカリジンという成分を配合した製品を
見かけることが多いと思います。
- 年齢の制限を気にしにくい
- 使用回数の細かい指定が少ない
- 公園・保育園・お出かけなど、
日常の場面で扱いやすい
「いつもの外出」で、
まず手に取りやすいのがイカリジン
——という整理です。
携帯用にはこちら。
- 持ち運びに便利な80mLのミニボトル
- 200mlと有効成分やその他成分は同じ
- 違いは、虫が嫌うハーブの香り
(100%天然のレモングラス精油)
もう一つの選択肢:ディート(虫よけ成分)
ディートは長く使われてきた成分で、
対応できる虫の種類が広く、
マダニにも対応する製品があります。
活躍場面として、たとえば——
キャンプ、山林、海外への渡航など、
虫が多い地域・その対策を一段強めたい場面
では頼りになります。
6か月〜12歳未満の長時間の屋外活動なら
- 蚊に対する虫よけ効果がが約12時間持続。
(概ね11~13時間)
子どもに使う場合は、
年齢ごとに使用回数の目安があります。
実際に使うときは、
製品ごとの表示を確認してください。
- 6か月未満不可
- 6か月〜2歳未満は1日1回
- 2歳〜12歳未満は1日1〜3回
- 持ち運びに便利な66mlのミニボトル
- 200mlと有効成分やその他成分は同じ
12歳以上の長時間の屋外活動なら
ここで12歳以上に分けているのは、
この製品が濃度がディート30%だからです。
リッチリッチ30シリーズは、
12歳以上から使用できます。
「どの虫に効くか」よりも、
「子どもが今日いる場所で、どの虫が出やすいか」
で考えると、虫よけ 剤を使うかどうかの判断が
つきやすくなります。
「いつでも必ず塗る」ではなく、
「必要な場面で、必要なものを」
——そのくらいの感覚で十分です。
ヤクパパは
なぜイカリジンを基準にしているの?
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いちばんの理由は、毎日のことだからです。
虫よけは、特別な日だけでなく、
公園・保育園・近所の散歩など、
日常的に使う場面が多いもの。
その「毎日使う」場面で、
年齢や回数をあまり気にせず手に取れるのが、
イカリジンの扱いやすさです。
ただ、これは「ディートを避けたほうがいい」
という意味ではありません。
ディートは長い使用実績があり、対応できる虫の幅が広い成分です。
とくにマダニにも対応する製品があるため、
草むら・山・キャンプ・海外への渡航など、
環境対策だけでは届きにくい場面では、むしろ頼りになります。
整理すると、こんなイメージです。
毎日の公園・お出かけ
→ まずイカリジンが扱いやすい
虫の多い屋外・特別な場面
→ ディートも選択肢になる
「どちらが優れているか」ではなく、
「今日、うちの子がどこで過ごすか」で選ぶ——そう考えると、選びやすくなります。
使うときに気をつけたいこと
虫よけ剤を使うときに、
知っておきたいことを整理します。
塗る場所について
顔や口のまわり、目の周囲、傷がある場所には、
直接スプレーしないようにしてください。
顔まわりに使えるかどうかは、
製品によって扱いが異なります。
ディート配合製品では、
顔には使用しないこととされています。
顔まわりに使う場合は、
必ず製品表示を確認し、
目や口に入らないよう大人が扱ってください。
手のひらへの使用
小さい子どもは
手を口に持っていくことがあるため、
手のひらへの直接の塗布は避けるのが安心です。
塗り直しについて
汗、雨、水遊び、タオルでの拭き取りで、
虫よけの効果は落ちていきます。
屋外で長時間過ごす日は、
製品表示の目安に従って塗り直してください。
日焼け止めと一緒に使うとき
日焼け止めと併用する場合は、
先に日焼け止め、そのあとに虫よけの順番が
一般的に案内されています。
帰宅後
その日のうちに、
石けんと水で洗い流すのが基本です。
もし誤って口に入れてしまったら
落ち着いて口の中をすすぎ、
製品の添付文書を確認のうえ、
中毒110番(公益財団法人日本中毒情報センター)
や 医療機関に相談してください。
中毒110番
大阪:072-727-2499(24時間対応)
つくば:029-852-9999(9時〜21時対応)
刺されたあとが気になるとき
虫よけを使っていても、
刺されることはあります。
ここでは、
「刺された後」と「気になる症状が出たとき」の
道案内をします。
虫よけで肌が荒れたとき
虫よけ剤を使い始めて肌が赤くなった、かぶれた
—— そういうときは、いったん使用を中止して様子を見てください。
改善しない場合や、
かぶれがひどくなる場合は、
皮膚科への相談を検討してください。
「この剤は合わなかった」という情報は、
次の選択に役立ちます。
刺されたあとが気になるとき
- 腫れがひどい
- 翌日になっても引かない、
- 広がってきた
—— そういった様子が気になるときは、 まずお子さんの状態を観察することが手がかりになります。
刺された後の状態の見方は、
こちらの記事で整理しています。


かゆみ止めの選び方はこちら。


迷ったときは
全身の様子が気になるとき、
判断に迷うときは、
親子のための観察室👈ここをタップ
に立ち寄ってみてください。
「今すぐなのか/少し様子を見ていいのか」を
落ち着いて確かめられるように整えてあります。
📋まとめ
- 虫よけは、まず環境から考える
- 家の中では、網戸や水たまり、
寝る場所の工夫が役立つ - 屋外では、
服装や場所・時間の選び方も大切 - 虫よけ剤は
「必要な場面で使う道具」のひとつ - 日常使いならイカリジン、
虫が多い環境ではディートも選択肢に - 「どの虫よけが一番?」より、
「今日はどんな場所で過ごす?」
から考える
最後に・・・
虫が多い季節、
親はどうしても「何かしなきゃ」と感じます。
でも
今日から環境を少し整えるだけで、
刺される機会は変わっていきます。
完璧な対策より、
続けやすい小さな一歩のほうが、
子どもの夏を守ってくれます。
参考・引用
📚 参考・引用
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虫よけ成分・DEETの年齢別使用目安
厚生労働省.「ディートを含有する医薬品及び医薬部外品に関する安全対策について」.
https://www.mhlw.go.jp/topics/2005/08/tp0824-1.html
イカリジン・日焼け止めとの併用順序
厚生労働省健康局結核感染症課.「ジカウイルス感染症診療Q&Aについて」.
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000134509.pdf
■ 旅行・アウトドア時の虫よけ剤の考え方
国立感染症研究所 ハイリスク渡航者ワクチン外来.「虫よけ剤の選び方」.
https://travelclinic.jihs.go.jp/006/mushiyoke.pdf
■ 蚊の色彩識別に関する研究
Riffell JA, et al. “The olfactory gating of visual preferences to human skin and visible spectra in mosquitoes.” Nature Communications 13, 555 (2022).
https://www.nature.com/articles/s41467-022-28195-x
── 蚊が二酸化炭素感知後に特定の色(黒・赤・オレンジ)に反応しやすいことを示した研究。本文「服の色」に関する記述はこの研究に基づく。
■ 製品情報
スキンベープミスト イカリジンプレミアム 製品情報. フマキラー株式会社.
https://fumakilla.jp/insecticide/2293/
医薬品 サラテクト リッチリッチ30 製品情報. アース製薬株式会社.
https://www.earth.jp/products/saratect-richrich30-spray-200/index.html
── 月齢・使用回数・成分に関する記述は各製品添付文書に基づく。
■ 誤飲・中毒相談
公益財団法人 日本中毒情報センター.
https://www.j-poison-ic.jp/
📝 この記事について
この記事は、
薬剤師としての知見と、
子育て中のパパとしての実体験を
もとに整理しています。
症状やお薬の使用に不安がある場合は、
かかりつけの医療機関・薬剤師へご相談ください。
ほっぺたに
大きな虫さされができた娘のために
ベッドに蚊帳を設置しました


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